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学校と部活の『棲み分け』・
教員と部活動指導員の『共存』
これからの学校と部活の関係性を
業界が理解し、
発信することが大切。

岩倉高等学校

教頭 志賀様

岩倉高等学校

1.  法律の枠内に労働時間を抑えるため、先生方と「連携」できる
部活動指導員を導入

部活動指導員導入したきっかけを教えて下さい。

本校は、7年前に男子校から男女共学化したんです。男子校だった時は1つの部で1,2人の先生方(顧問)を配置するだけで良かったのですが、共学化に伴い、男女の部活動で別々に顧問を設けるためには、単純に顧問の数が2倍必要になりました。
前々から、教員の採用を増やしていたのですが、最近になって、働き方改革が急速に進み、時間管理の徹底も求められるようになりましたし、一生懸命な部活動ほど休日返上で活動するので、法律の範囲内の勤務時間で抑えられなくなっていました。加えて、先生方の仕事量が増加していたこともあり、外部からの部活動指導員を入れて、『先生方と連携を取りながら活動したほうが良い』ということで、部活動指導員を導入することになりました。
それまでも、卒業生や顧問の知り合いなどでお手伝い頂くこともあったのですが、長期的にお願いすることが難しく、期間を定めて指導頂ける方に来て頂くために、サクシードさんにお願いしました。

2.  「プライベートな時間」「仕事の時間」を上手に管理できる
環境づくり

部活動指導員を導入にあたって、「部活動をしたい」という先生からの反発などはありませんでしたか?

どちらかと言うと「助かります」という声が大きいですね。多くの先生は、結婚されていたり、お子さんがいたりするのでプライベートな時間は当然必要です。部活動指導員に「今日はお願いしますね」という『頼れる関係性』を築いてもらうことで、プライベートの時間も大切にして頂けていると思います。
もちろん、もう少し部活の面倒を見たいという先生もいらっしゃるとは思います。ただ、今は働き方改革の関連法案も成立し、法律の枠内で働いて頂かなければならないので、それについては事前にお話をして、理解して頂いています。

ちなみに、今働いている先生方で何割くらい部活大好きな先生がいますか?

部活動大好きという先生は3,4割いますね。そういう先生ほど、授業もしっかりされていて、部活とのバランスを上手にとってくれているので、非常にありがたいですし、そういう先生を悩ませないように、プライベートの時間や、仕事を上手に管理できるような環境を作ってあげたいと思います。体育の先生で、特殊な運動の競技の顧問の先生となると、部活がライフワークみたいになっているかもしれませんが(笑)

3.  専門の部活動指導員ならでは強み。
そして先生方と「連携」すること

部活動指導員導入にあたり、予算面での苦労はいかがでしょうか?

指導員は教員ではありません。現時点で補助金の対象ではないため、若干持ち出しをしているのは事実です。ですが、今まで残業がすごく多かったものが、部活動指導員導入後は、その残業代が大幅に削減できたので、その部分で部活動指導員のやりくりをしている部分がありますね。先生によって「給料が減った」と感じている人もいるかも知れませんが(笑)、法律の枠内の話なので、先生方にも理解して頂いています。

部活動指導員の導入の影響や効果はいかがでしょうか?

まず、先生方にはしっかり休んで頂けています。もちろん、休む日には、指導員の方にどういう指示を出してもらうかなどの計画は立てた上の話ですが、先生にはしっかりと休んでもらえていますね。また、平日は部活動指導員を導入したことで、先生方が部活動の最初と最後だけを見る、あるいは指示を出すだけでよくなり、部活動終了後にやっていた仕事も放課後にできるようになって、相当作業量は減っていると思います。あとは、全ての部活にその部の専門教員がいる訳ではないので、そういう専門的なところで部活動指導員に頼れるところは良いですね。

サクシードから、サッカー専門の部活動指導員を派遣させていただいていますが、先生や生徒の声はいかがですか?

サクシードさんから派遣いただいているサッカーの指導員の方に関しては、三菱(浦和レッズの前身)での選手経歴のあるような、ネームバリューのある方に来て頂いており、実際、生徒募集も回ってもらっていますので、話を聞いて入学してきた子、あるいはその話を聞いて自分の子供を預けたいという保護者がいるので、募集の面でも効果的でした。

また、本校のグラウンドは学校から移動に1時間程度かかる場所にあり、今まで先生が授業終了後にグラウンドに行って、部活動終了後に学校に戻ってきて仕事をしてもらうということあったのですが、それはなくなりましたし、今来て頂いている指導員の方は、サッカー界での伝手も多く、学校の近辺で練習場を確保したりして頂けている点で、生徒もすごくやりやすいと思います。

例えば、遠方の場所での部活で部活の指導をお願いすることの不安はありますか?

遠方の部活動は、部活動指導員に丸投げをしているとことはしていませんね。遠方での部活に関しては、同じような場所で他の部活動をしている事が多いので、その部活の先生方との連携する体制をとっています。怪我がなどあった場合には、別の顧問でもすぐに対応できる体制ですね。また、近くで他の部活動を行っていない場合は、教員が必ずついていくようにしています。教員と部活動指導員で「連携」をとるというのが非常に大切だと思いますね。

弊社としても、指導員に「先生方と連携をとってください」と常に話しているので安心感が非常にあります。

学校と部活動の理想形は、学校教員の顧問も必ずいた上で、専門の部活動指導員に来て頂く事だと思います。専門的なプレイや技術などの面倒を部活動指導員に見てもらいつつ、生活指導は教員が行い、また、学校のスケジュールもあるので、そこも含めて教員が部活動指導員に指示してやって頂くのが良いいと思います。部活動指導員がメインになってしまうのは良くないのかなと思います。

4.  これからの部活動との関わり方は、業界で足並みを揃えていく必要があり、保護者の理解も必要

では、部活動指導員に求めるものはどういったことでしょうか?

部活動は、高校あるいは中学の枠内の活動だということを常に頭に入れて動いて頂きたいと思います。当然、その部活の専門家なので、自分が面倒と見る限りは『上手にしたい・強くしたい』という気持ちは出てくると思いますし、もちろん生徒も保護者もプロ並みに上手くなりたい、なってほしいと思うとは思いますが、『他を犠牲にしてでも上手くなる』という感覚を持たれてしまうと、それは学校教育の話ではなくなってしまいます。

学校は勉強など部活以外のこともたくさんありますからね。

そうですね。学校はあくまでも教育の場であり、部活動は教育の一環です。人間的な指導もとても大切なことです。あとは正式な顧問、部活動指導員がお互いに「もう時間なので活動を終わりましょう」って言えるような関係が築けること、また、事前に生徒や教員とスケジュールなどを共有して、「ここはちょっと連続になっちゃうから、ここ1日を休み入れましょう」など、部活動指導員もガイドラインにも沿ってやることも忘れないでほしいですね。

ちょうどガイドラインの話が出ましたが、今後、学校と部活動の関係はどのように動いていくと考えられますか?

文科省から部活動に関するガイドラインが既に出ている通り、※《週あたり2日以上(平日で1日以上、土日で1日以上)の休養日を設け、活動時間は平日が2時間程度、土日が3時間程度…》このガイドラインについては、全国すべての高校が足並みを揃えていく必要があります。この時期の生徒たちは、運動部・文化部に関わらず、練習すればするほど伸びるスピードが早くなったり、成長も早かったりします。そこで練習時間に差がついてしまうと、ガイドラインを守っている学校が損してしまうし、また、生徒たちにとっても良い影響は与えませんよね。

たしかに、ガイドラインを守っている学校が損するような形にはなってほしくないですね

これについては、業界、先生の理解そして保護者の理解も必要で、「強豪校なのに、なんでこんなに練習時間短いんですか?」って言われても困りますから(笑)。また、生徒たちは15~18歳であり、長時間の部活による身体への影響も心配なので、ガイドラインの通り、時間等の部分で制限をかけて体のケアをしなくてはいけないと思います。そこは業界として徹底していくべきですね。

5.  時代が変わっていることを発信すること、先生と部活動指導員の「共存」

働き方改革が叫ばれているなか、部活動指導員導入へ一歩踏み出せない学校へメッセージを頂けませんか?

教員の働き方や、学校と部活の関係性などが変わるという流れを、学校のみなさんは、おそらく理解していると思うんです。では、変わっていくための第一歩は何かというと、学校トップや教員含めて、「こういう世の中に変わってきている」「法律の中で学校が運営されている」ということを保護者・生徒に発信・説明することだと思うんです。その説明をせずに有耶無耶にして部活動指導員を導入しても、よくわからない状況になってしてしまいます。
例えば、ガイドラインの説明をし、「うちの学校はこうですよ、こういう中で部活動指導員を入れていき、部活動にも力を入れます」と生徒あるいは保護者に案内し、しっかり発信・説明することからスタートだと思います。

保護者や先生も含めて、『部活は先生が見るもの』という認識がありますよね

そうですね。難しいですが、その認識を変えていかなければなりません。アメリカなどの海外的な発想で、『部活動の指導は、外部指導員がメインで、教員は関わらない』という体制はすぐにはできないと思いますし、また、別に教員は部活動指導に関わっても良いと思うんですよ。先生方が、保護者会などをしっかりやって、部活動指導員はこういう人にやってもらいますっていうことを説明するのがすごく重要だと思いますね。

まさに先生と外部指導員の『連携』ですね

生徒が部活動指導員に取られるわけではありませんので、学校と部活の棲み分けをしていくために、先生と外部指導員の『連携』そして『共存』していくことが大事だと思います。

他社さんはアスリート、元アスリートのセカンドキャリアや、有名な方などを指導員として派遣しており、たしかに部活動が強くなります。ですがサクシードは教育という観点から引き続きお手伝いを続けていきたいと思います!

【まとめ】

インタビューを通じて、「プライベートな時間」「仕事の時間」を上手に管理できる環境づくりのために部活動指導員を導入することは、非常に有益であり、専門の部活動指導員ならではの付加価値があることも分かりました。急速に環境が変わる現代で、学校業界も変化しています。その変化を業界が受け入れ、先生と外部指導員の『連携』そして『共存』していくこと、保護者・生徒にそれ発信していくことがこれから大切になっていくという貴重なお話も伺うことができました。お忙しいところありがとうございました。

学校情報

学校名
岩倉高等学校
URL
https://www.tky-iwakura-h.ed.jp/
所在地
東京都台東区上野7-8-8