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"教育現場の新時代" 部活動指導員による教育現場の革新

橘学苑中学校・高等学校

部活動指導員 武内コーチ (写真左) 渡辺様 (写真右)

橘学苑中学校・高等学校

1.  部活動指導員の導入による教師の負担軽減と働き方の改革

最初に、サッカー部顧問の先生にご質問させていただきます。
部活動指導員に部活動を任せることで業務負担軽減が見込まれますが、感覚としてどう感じますか?例えば土日が休めることや、業務負担軽減によって他の業務に時間を使える点など、ご意見をお聞かせください。

渡辺先生:土曜日は通常の授業の後に部活動がありますが、その間は武内さん(部活動指導員)が責任を持って指導しているため、安心して会議に参加することができるようになりました。日曜日は外での練習がメインとなりますが、連絡を取り合いながら、安心して指導員に任せています。

教育現場の働き方改革において、地域移行という形で段階的に進められています。部活動は外部の方々と連携し、学校から切り離すという国の方針があります。この考え方について、現場の教員としてのご意見を伺いたいと思います。

渡辺先生:私自身がサッカーには精通していないので、まずその点で言うと、外部の専門家が来てしっかりと指導することにより、技術面でのより高いレベルの指導が可能になると思っています。
働き方改革に関しては、先ほどと重複しますが、教師が土日を休むことが可能になる点にメリットがあると考えています。

2.  部活動指導員が生徒たちに与えるポジティブな影響

部活動指導員に関するエピソードや思い出があれば、お伺いしたいです。

渡辺先生:一生懸命指導していただいている中で、今年の春に卒業した生徒に関してですが、熱い指導があり生徒たちが涙を流して感動をする場面もありました。
今年3月に卒業した生徒たちも武内さんを慕っており、未だに練習に顔を出していますので、影響力がとてもあります。

部活指導員と先生のやり取りはどのような方法を使用していますか?
また、気を付けている事などもあれば教えて下さい。

渡辺先生:緊急時は電話を使いますが、基本的にはLINEやメールを利用してやり取りしています。
気を付けている事は、保護者との連絡には常に気を配っており、ちょっとした怪我でも連絡するように連携をしています。

3.  部活動指導員 武内さんの軌跡
サッカー指導と生徒の「人間形成」への取り組み

ここからは部活指導員の武内さんに質問させていただければと思います。
指導員を始めたきっかけは何ですか?

武内コーチ:以前からサッカーの監督を務めたいという希望がありましたが、適切なタイミングや機会に恵まれませんでした。
しかし、長い間ご相談をしていたサクシードの社員の方から声をかけていただいたことで、部活動の指導員として活動を始めることができました。

部活動を始めた時の業務内容や大変だった点は何かありますか?

武内コーチ:最初の課題は慣れる事からでした。生徒達はすでに前の体制に慣れ親しんでいたため、彼らに合わせた基準を設定する必要がありました。生徒たちの意見を考慮しながら、自分の色も出しつつ、適宜微調整を行いながら進めていきました。そこが大変でしたね。

指導を得て変わった点は何ですか?

武内コーチ:部活指導員は放課後しか生徒と関われないので、サッカーの技術指導だけでは限界があります。
やはり私は、ベースとなる生徒の「人間形成」や「思考の発展」が一番重要だと考えています。単にサッカーを教えるだけでは、生徒達に伝えたいことの一部しか伝わらないことがあります。
そのため、技術指導を行いつつも、人としてどうあるべきか、生徒の人間形成に重点を置いています。
過去3年間と比べ、今ではその考えがより強く感じており、指導においてはこの点にフォーカスしながら行っています。
ただ自分の思いだけで指導するのは違うので、先生と密に連携し、学校が何を求めているのかを考慮しながら適切な指導を心がけています。

4.  サッカーを通じた成長とリーグ残留を成し遂げた印象深い試合

部活動で印象に残るエピソードがあれば教えてください。

武内コーチ:特にリーグ残留を決めた試合が印象深いです。3部リーグの降格危機を乗り越えて最後に勝って残留を決めました。
降格の可能性が非常に高かったですが、引き分けではなく絶対に勝たないといけない中で最後まで諦めずに続けて、 最後にはしっかり勝って残留を決めたことは、彼らにとっても指導者にとっても印象に残っているエピソードの1つです。
サッカーが人を成長させるのはこういう事なのだと思います。

5.  学校との調和を重視した効果的な指導方針を心がける

指導員の方が学校と連携する時に気を付けていることを教えて下さい。

武内コーチ:指導員として、学校との連絡を取り合うことの重要性を強く感じています。指導員は直接学校のスケジュールやイベントに関わっていないため、月に一度集まって月間スケジュールを確認し、必要に応じて変更に対応しながら指導を行っています。
また、学校が何を求めているかを理解することも非常に重要です。自分の思いだけで指導するのではなく、生徒をベースに考えて、自分にできることを意識しながら指導にあたっています。

自身で指導を通して、思考が変わった部分はありますか。

武内コーチ:以前は、自分の意見をしっかりと主張することが重要だと思っていましたが、現在は学校が何を求めているかに基づいて行動することがより大切だと感じています。
学校から求められている事の中で自分にできる最善を尽くすことが私の新しい考え方です。この点が大きく変化いたしました。
ただ全部イエスマンでも違いますし、このベースがありつつ、自分の意見も伝えるということがすごく大事だと思います。

6.  サッカーを通じた生徒の「人格形成」を促す事が部活動の「本質」

指導員として成長した事はありますか。

武内コーチ:私が成長したと感じる部分は、サッカーを通じての人間形成の重要性を再認識したことです。部活動の本質は、サッカーを媒体として生徒の人格形成を促すことにあると思います。
もちろん、プロのサッカー選手を育成することや優勝を目指すことも目標にはなりますが、それらは結果論に過ぎず、直接的に追求することはできません。
勝利の経験も大切ですが、敗北を経験することも同様に重要です。これらの経験を通じて、サッカーを通して生徒の人間性を育てていくことが、部活動の本来の目的であると感じています。その上で、優勝やプロ選手への道は、自然とついてくるものだと考えています。

7.  現代の教育問題への対応は生徒との「信頼関係」の構築が大事

最近、パワハラやセクハラ、体罰などがニュースで取り上げられていますが、怒らなければならない状況に直面した時、どのように指導していますか?

武内コーチ:大変難しい問題ですね。
たとえば、「元気?」と肩を叩くような行動も、関係性によってはセクハラやパワハラと受け取られる可能性があります。
発言も同様に、ハラスメントと思われることがあります。リスクを考え、こちらは何もしないのが最も無難な選択かもしれませんが、それは無責任だと考えています。
昔は何でも言い合えたのとは異なり、現在のZ世代の子供たちは何も言われない「優しさ」という形の残酷さに直面しています。
何も言われないことは生徒達にとって良いのかもしれませんが、誰からもアドバイスを受けられなくなると、即ちそれは生徒達だけで全てを解決する必要があります。
そのため、よくない言動をした時に叱ってあげることが本当の優しさだと思います。ただし、怒ることと叱ることは異なります。感情的に怒ると生徒の頭には何も入らないので、現代の子供たちだからこそ寄り添ったサポートしていく事が必要です。
生徒の特性に合わせてマネージメントを微調整しながら信頼関係を築くことが重要と考えています。

8.  現場からの不安と期待、教員免許の重要性

今年に入って、部活動指導員サービスの問い合わせが増えました。
しかし、学校職員ではない外部の指導者に対する不安や、予算の確保に関する懸念があります。
現場から見て、これらの問題にどのように対処すべきか、ぜひアドバイスがあれば教えてください。

武内コーチ:先日ある高校が30部で部活動指導員の導入を目指しているというニュースをみました。
恐らくこれが今後の傾向になると思いますし、学校と生徒としてはいいのかと思います。

しかし個人的な不安を申し上げますと、私は他の高校で英語の教師をしている事もあり、先生という立場も理解していますので、どこまで生徒と関わっていいかの線引きが大変重要になると考えています。
例えば、普通にサッカー経験だけがある方が指導する場合の問題点などです。
学校で働いた経験のない方、社会経験がない方は学校が求めていないことをしてしまうことや、どこまで生徒に関わっていいのか、発言して良いのかなど、パワハラ問題などもありますし、様々な問題があるので、教員経験のない方が関わる際は最初に苦しむのかなと思われます。どちらかというと教員免許を持っている方がいいのかと思います。

仰る通りです。実はサクシードでは、現在、活動している部活指導員の中で教員免許を持っている人が多いです。
私たちは教員の紹介や派遣をしており、登録している教員に指導を依頼することが多いです。学校側も、指導員の経歴書を確認した際、教員免許を持っており、学校の教育方針や指導要綱を理解している人に依頼したいと考えています。これは、やはり学校にとって安心できる要素だと思います。
特に文科系や家庭科、美術などの分野では非常勤講師が多く、また定年退職した教員も指導に携わっています。教員免許を持っている、教員経験があることは、学校にとって大きな安心材料となるかと思いますので。

武内コーチ:実際に教員として働いたことがあると教育現場の状況が把握できていることもあり安心かと思います。学校によって礼儀や慣習が異なることがあり、その食い違いが出てしまい、特に担任を持つ教諭にとっては逆に大きな負担になることがありますので、それを防ぐ為には部活動指導員と学校との相談や話し合いを頻繁に行う事が非常に重要になっていくと思います。

そうですね。試合などになる場合、担任を持った教諭は特に大変ですし、遅くまで仕事をする中で、やり取りが発生しますが、時には小さな掛け違いが生じ、お互いにすれ違ってしまうことがあります。
教員免許を持つ者や学校での指導経験がある者をやはり優先していく必要があると、現場からの声をお聞きして思いました。

今回のお話は実際に現場の声を聞けて、大変勉強になりました。
今後もどんどん波及していけるように、尽力していきたいと思います。
ありがとうございました。

【まとめ】

このインタビューから、部活動指導員の導入が教師の業務負担を軽減し、教育現場の働き方改革を支援していることが明らかになりました。
部活動指導員である武内さんのような指導員が、生徒の技術向上だけでなく、人間形成においても大きな役割を果たし、生徒からの厚い信頼を得ていることも示されました。
更に教育環境の変化に柔軟に対応し、生徒の成長を促す部活動指導員の重要性は今後も高まることが予想されます。特に教員免許を持ち、教育現場での経験が豊富な指導員は、学校との円滑な連携を促進し、教育の質を高める上で不可欠な存在となっています。
弊社では、このような教育現場のニーズに応えるため、質の高い教員の紹介や派遣に注力しています。教育環境の変化に適応し、生徒の成長を支える部活動指導員の重要性を踏まえ、今後も教育界への貢献を続けていきます。
お忙しい中、貴重なご意見をいただき、誠にありがとうございました。

学校情報

学校名
橘学苑中学校・高等学校
URL
https://www.tachibana.ac.jp/
所在地
神奈川県横浜市鶴見区獅子ケ谷1丁目10-35